南アジアにおける歴史と遺産
今日は、ロンドン大学のSOAS South Asia Instituteであった、とあるレクチャーを聞いてきました。
"Past cultures as the heritage of the present"
邦題としては「現代における遺産としての過去の文化」と言ったところでしょうか。
私はもちろん南アジアの歴史や文化については詳しくないのですが、逆にこれは南アジアを知る良い機会だと思って参加しました。
場所はSOASのブルネイギャラリー。
ロンドンのど真ん中にあります。
18:30からでしたが、会場は8割ほど埋まっていました。
ほとんどはインド系の人。
たまにアングロサクソン系イギリス人もいましたが、東アジア系やアフリカ系はほとんどいませんでした。
講演者のRomila Thapar博士は84歳ですが、とてもはっきりした声で、冗談も交えながら講演をされたので、そのエネルギーに圧倒されました。
内容については、全ては聞き取れなかったのですが、インドの歴史や遺産の話を軸に、世界に通ずる普遍的な話をされていました。
会場はロンドンのど真ん中でしたが、インドがイギリスに支配されていた歴史についても触れられました。
遺産とは常に変化するものである。
また、それが作られた当時は何かの用途を持って作られたはずである。
遺産とは現代では博物館に飾られていたり商業目的に用いられたりしているが、それを誰が遺産と決定し、それは何故、どのようにして作られたか。
それを意識して観察する必要があると。
エリートが決定し、政治的な背景が入り込んでいないか。
私の英語力では残念ながら細部までは理解できなかったことがとても残念です。
もっと英語を勉強して、きちんと理解できるようになりたい。
全てを理解できなくても、とても示唆に富む内容だということは分かりました。
遺産だけでなく、歴史とは権力者が作ったものであり、時の権力者が変われば歴史は書き換えられてしまう。
また、争いにおける勝者が権力者となるので、歴史とは往々にして勝者の視点から見た歴史である。
ということを学校の授業では教えないけれども、とても大切なことだと思いました。
何事もその前提を捉えなければ本質は分からないということですね。
また、博士は女性の学業についてもおっしゃっていました。
今日の講演にこんなに女性が来ていることが嬉しいと。
きっと博士の時代には大変なご苦労をされたことでしょう。
歴史や遺産は変わる。
そして現在や未来も変わる。
だからこそ、男女平等が多くの国で掲げられ、国境を越えた行き来がある程度自由にできる現在の状況を維持する努力が必要だと感じました。
今日の感謝。
・Romila Thapar博士の力強い講演。
・帰国が近づいた私にメールをくれた4人。
・Pret A Mangerの食事の体への優しさ。